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Archive for the ‘好きな音楽の話’ Category

サカナクション「sakanaction」

In 音楽の話, 好きな音楽の話 on 4月 11, 2013 at 1:37 pm

jacket
サカナクションの新アルバム「sakanaction」。2013年3月13日に発売。
買ってしまったので、せっかくだから感想を。
 

サカナクションらしさはそのままに。

おそらくサカナクションが今追求してる部分はメロディじゃないのだろう。正直歌のメロディや雰囲気はなんだか今までに聴いたことあるような感じがするものが多い。
歌詞も「夜」「雨」「泣く」あたりが頻出する感じは同じだ。
逆に言えばそういう意味で裏切られる可能性は皆無で安心して聴けるし、「それでもいい」と思えるぐらいには別の部分で進化や模索が見られる。
  

引き算

今までの自分の印象としてのサカナクションは、現代日本的なロックにテクノ・ダンスミュージック的要素を「足した」サウンドという感じだった。おそらく前作で僕が感じた「味つけが濃い」印象というのはそこから来ていて、そしてその「足し算」つまりロックバンドにシンセサイザーや四つ打ちなどのテクノ要素を足したサウンドは、「ルーキー」や「アイデンティティ」もう少し遡れば「アルクアラウンド」あたりで完成しているだろう、

今回はそこからの「引き算」に注力してる印象がある。
引くべきものはギターなのか、シンセなのか、歌詞?それともボーカル?ベース?ドラム?
そんな実験の結果を発表したアルバムという感じを受ける。
牛丼にマヨネーズをかけたのが今までのサカナクションだとすれば、
「マヨネーズをかけたんだから肉は少なめでいいだろう」とか「むしろご飯はいらないんじゃないか」というようなアルバムなのだ。 続きを読む »

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あえてあんまり聴き込まずに書いてみる – PES「素敵なこと」

In 音楽の話, 好きな音楽の話 on 12月 19, 2012 at 1:30 pm

ジャケット。アートワークも「女神のKISS」からの流れ。

先週借りたPES「素敵なこと」を

このブログに関して反省している事のひとつは、先月更新できなかった事である。
原因はいくつかあるのだけど比重の大きいものとして僕のフットワークの重さがある。
ここに文章を書くにあたって「しっかりした事を書こう」という意識が強すぎてなかなか筆が進まなかったのだ。

そこで今回はフットワークを軽くする!という意識の元、あえてあんまり聴き込んでいないCDの事を書こうと思う。
ターゲットはPESの「素敵なこと」というアルバム。
2012年9月発売。先週の土曜日にツタヤで発見して、「もう旧作で借りれるのか!」と思わず借りてしまった。

PESとは

PESはRIP SLYMEというHIPHOPグループのメンバーで、グループの中に4人もいるMCのうちの一人である。
その四人の中で彼はいわばメインボーカル的な役割で、彼がサビ的な部分を歌っている曲が結構多い。
しかもメインで曲を作っているDJ FUMIYAを除けば曲を作っている比率が高いので、MC4人の中では一番ソロデビューに違和感のない人物だと言えると思う。wikipediaによると、メンバーの中で一番寂しがり屋である。
そんなPESが出した初のソロアルバムが「素敵なこと」なのだ。寂しがり屋の奴にかぎって一人になりたがるものである。

RIP SLYME好きな人から見ての話。

こういうレビューを参考にする時に気をつけたいのは、書いてる人の立場である。
自分と全く趣味の合わない人であったら、どんなに絶賛していたとしてもそれが自分にとって良いとは限らないのだ。

なので 続きを読む »

「たま」と柳原幼一郎と柳原陽一郎の距離

In 「たま」の話, 音楽の話, 好きな音楽の話 on 8月 9, 2012 at 12:37 pm

今回のやなちゃんのライブはすごく良かったぞ

2012年8月5日、僕にとって2回目となる柳原陽一郎氏のライブに行ってきた。
その日は50歳の誕生日ということもあってか彼の今までの音楽活動を振り返るようなライブで、初めてライブハウスで演奏したという「牛小屋」から始まって「たま」時代の曲、そしてソロになってから現在に至るまでのターニングポイントとなったような曲を年代順に演奏していくというとても感慨深い内容だった。

僕は彼が居た「たま」というバンドのファンだ。そして彼が「たま」を脱退したこと、「たま」時代の「柳原幼一郎」とソロのミュージシャンとしての「柳原陽一郎」に結構ギャップがある事をちょっぴり残念に思った人間のひとりである。

だけど同時に、今の彼の歌を聴けば聴くほどそれは必然だったんだという気持ちが強くなるし、ソロのミュージシャンとしての「柳原陽一郎」の凄さを感じている。

というような話は前回ライブに行った時にもブログに書いたのだけれど、今回は2回目という事でさらに掘り下げた、妄想を含む考察。「たま」ファンであり現在の「柳原陽一郎」にも肯定的な立場から、どうして「柳原幼一郎」と「柳原陽一郎」の間にはギャップがあるのか?脱退は必然だったのか?という部分に関して、思った事を書いていきたい。
 

たま」らしさとは

今回のライブで「たま」時代の曲とソロの曲を連続して聴いて思ったのは、「たま」時代の彼の曲にある「たま」らしさとでも呼ぶべきものが、ソロになるとはっきりと消滅するということ。さらに言えば「たま」時代の曲でさえ、 続きを読む »

テクノポップとテクノ その2

In 音楽の話, 好きな音楽の話 on 5月 16, 2012 at 1:56 pm

またテクノポップとテクノの話。

この前、テクノポップとテクノは違うものだという話を書いた。今回はその続きっぽい話。
前回の話を簡単にまとめると、

・テクノポップは70年代後半から80年代前半に日本で生まれた言葉で当時最先端だったシンセサイザー等の電子楽器を使って作られたポップミュージックを指す。
・テクノは90年代に海外(イギリスとか)で生まれたダンスミュージック。アシッドハウス等をルーツとして、クラブで生まれた音楽。
・当時からテクノポップは略してテクノと呼ばれていたし現在ではテクノとテクノポップは相互に影響を与え合っているので混同しやすいが、元々生まれも育ちも全く違うものであった。

というような感じだ。

ところで、この動画を先日、Youtubeが僕におすすめしてきたんだ。

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RIP SLYME「STAR」

In 音楽の話, 好きな音楽の話 on 2月 4, 2012 at 9:01 am

RIP SLYME「STAR」

RIP SLYMEの「STAR」。ちょうど一年前ぐらいに出た、RIP SLYMEの最新アルバム。
これを聴いていて、ふと「90年代前半っぽいな」って思ったんだ。
なぜそう思ったか考えていたんだけど、このアルバムの音って90年代前半には既に確立されているテクノロジーで作られているんじゃないだろうか。

90年代のテクノロジーで同じものが作れたかもしれないけど…

どういう事かというと、このアルバムに入っている曲はほとんどサンプリングとターンテーブルとリズムマシンとシンセサイザーと、といういわゆるトラックメイカーの基本的な手法で作られていて、それは90年代前半には既に確立されていた手法であるんではないかと。だから当時にこれと同じトラックを作る事は、技術的にはもしかして可能だったのかも知れない。だけど「STAR」は当時にはない、まぎれもなく2011年の音なのだ。そういうわけで20年前のやり方で今の音を作っているところがRIP SLYMEの、「STAR」の、カッコイイところなのだ。

5人だけで作ったっぽい。

アルバムでいうと「EPOCH」あたりからのRIP SLYMEは、他のグループとのコラボレーションや、ライブではバンドの生演奏をバックにするなど、外部のミュージシャンを積極的に取り入れる傾向にあった。それが間違っていなかった事はアルバムを聴けばわかるし、それが近年のRIP SLYMEのポップさを支えていたと言えるとも思う。
しかし雑誌のインタビューで 続きを読む »

ピンクフロイドの「神秘」と、奇形が生まれるとき

In 音楽の話, 好きな音楽の話 on 1月 13, 2012 at 9:20 am

僕は実はバンドをやってるんだけど、そのバンド用に曲を作るとき「こういう雰囲気になったらいいな」とよく思い浮かべるのがピンクフロイドの「神秘(Saucerful of Secrets)」というアルバム。

イギリスの、昔のバンド。

ピンクフロイドはイギリスのバンド。1967年のデビューで、もう主なメンバー5人のうち2人死んでる昔のバンド。
世間ではサイケとかプログレとかにカテゴライズされていて、一曲で10分以上の曲も結構あったりする。

そんなピンクフロイドが僕は結構好きなんだけど、その人達のセカンドアルバムが「神秘」だ。

不安定な時期のアルバム

1stアルバムではリーダーシップをとっていてリードボーカル、ギター、作曲もしていたシド・バレットという人がドラッグでダメになってしまって、このアルバムでは部分的に参加しつつも既にまともな状態ではなかったみたい。(このアルバムを最後に脱退してしまう。)それで残ったメンバーと、新たに加入したデビット・ギルモアがなんとか形にしたのがこのアルバム。という感じ。

聴いた事がある人はわかると思うんだけど、 続きを読む »

「McCartneyⅡ」っていうアルバム

In ポール・マッカートニーの話, 音楽の話, 好きな音楽の話 on 12月 14, 2011 at 7:57 pm
「McCartneyⅡ」

「McCartneyⅡ」のジャケット。

元ビートルズ

ポール・マッカートニーというミュージシャンを、あなたは知っているだろう。あのビートルズの元メンバーで、「yesterday」とか「Hey jude」とか「Let it be」とかを作った人。

その人が1980年に発表したアルバムが「McCartneyⅡ」
ⅡというからにはⅠがあるわけで、1970年頃「McCartney」というアルバムを出していて(たしかビートルズ解散直後というか、ほぼ同時に出したんじゃなかったかな)、「McCartneyⅡ」はいわばその続編なのかもしれない。共通点としてはどちらもポールが単独で、いわゆる宅録に近い形で自宅で録音したアルバムだということ。

自宅録音だからどちらもちゃんとしたスタジオで録音したものに比べると音が悪いし、安っぽい感じは否めない。でもそのチープさが結構好きなんだよねー。
 

なぜ人気がイマイチなのか

それでこのアルバム実はあんまり評判が良くない。上に書いたように自宅で独りで作ってるが故のクオリティの低さもあると思うんだけど、「McCartneyⅡ」の最も不運な点はこれがポール・マッカートニーのアルバムだという事だと思う。つまりポールのファンが「ポールの新作」に求めていたものとアルバム 続きを読む »